【家を建てる費用】土地のアリ/ナシで違う!予算と頭金の相場

【家を建てる費用】土地のアリ/ナシで違う!予算と頭金の相場

マイホームを建てる際、予算の使い方を大きく左右するのが土地のアリ/ナシです。
すでに土地を所有している方であれば、基本的に「予算=家にかける費用」と考えることができる一方、土地をこれから購入する方の場合は「予算=家+土地代」と費用を調整しなければなりません。

特に首都圏では、家の建築費・土地代ともに坪単価が高いため、土地を購入するとなると必然的に家に掛けられる資金が少なくなってしまいます。また、土地の手付金・諸費用といった現金で支払う費用で頭金が削られる=ローンの返済額が増えることにもなります。

土地のアリ/ナシに関わらず言えることは、予算オーバーを避けるためにも「家づくりにはどんな費用が発生するのか?」「自分の予算にそれが含まれているのか?」を知ることが大切ということです。

ここでは、土地のアリ/ナシで建築費や頭金がどれくらい違うのか?をベースに、土地を持っていても必要になる費用、土地ナシで重要な予算配分についてご紹介します。全ての費用を想定内で済ませられるよう、あらかじめ把握・準備しておきましょう。

そもそも家を建てる費用とは?

そもそも、家を建てるにはどんな費用が必要なのか?皆さんご存知の「本体工事費」以外にも、「付帯工事費」や「諸費用」といった費用が必要なことをご存知でしょうか?

本体工事費が占める割合は総額の7~8割、そして残りの2~3割はこの付帯工事費・諸費用が占めるため、あらかじめ把握して置かなければ確実に予算オーバーになってしまいます。
ここでは、土地のアリ/ナシで違う予算・頭金の相場を知る前に、基本的な「家を建てるために必要な費用」についてご説明します。

家を建てる費用は「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つ

家を建てる費用の内訳は大きく3つ。家本体を建てるための「本体工事費」が総額の70%~80%、解体工事や地盤調査などにかかる「付帯工事費」が15%~20%、各手続の手数料や税金などの「諸費用」が5%~10%です。

家を建てる費用の内訳

一見すると、住宅本体にかかる費用が大きく見えることからそちらに意識が向きがちですが、「付帯工事費」と「その他諸費用」の約3割は決して安い金額ではありません。また多くの場合、現金での支払いが必要になり、付帯工事費に関しては見積書に記載されていないケースもあります。

総額3,000万円の家を建てた場合を例にすると、付帯工事費・諸費用を合わせて900万円と高額で、そのうち何割かを現金で用意する必要があります。この2つの費用を予算に組まずに家づくりをスタートしてしまうと、「予算オーバー」や「準備資金の不足」といった費用面の失敗をしてしまう原因にもなります。

家づくりに取り掛かる前に、まずは付帯工事費・諸費用の内訳や、どのタイミングで支払う必要があるのか把握しておきましょう。これについては、以下の記事で詳しくご説明しているので、ぜひお役立てください。

家を建てるための費用・予算はどれくらい?

注文住宅で家を建てるための費用は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3種類。そして、土地を購入するための費用は、「土地代」と「諸費用」の2種類です。予算オーバーしないためにも、いつどんな費用が必要なのか、あらかじめ資金計画に組み込んでおきましょう。

土地を購入する費用は「土地自体の費用」「諸費用」の2つ

土地を購入する費用は大きく「土地全体の費用」と「諸費用」の2つ。
一般的には、住宅の購入費と合わせて土地代に関しても住宅ローンで月々支払っていくはずですが、多くの方が見落としてしまうのが「手付金」と「諸費用」の支払いです。

土地を購入する際は、まず手付金として土地代の5~10%を支払い、諸費用に関しても同額程度を用意する必要があります。これら土地購入に関する費用は現金の支払いになることが多く、住宅購入費の頭金とは別で考えておく必要があります。

「手付金」と「諸費用」を含む土地購入の準備資金は、「土地代の10~20%」が目安とされています。後ほどご紹介する「土地アリ/ナシの予算・頭金の相場」と合わせて、家づくりの準備資金の参考にしてみてください。また、土地購入に必要な費用は以下の通りです。

登記手数料 所有権の移行や土地を担保にすることを登記するための費用
仲介手数料 仲介手数料は「(売買価格×3%+6万円)×消費税」。契約時に仲介手数料の50%支払い、引き渡し時に残りの50%を支払う。
融資手数料 金融機関からローンを借りる場合の融資手数料
印紙税 売買契約書に貼る印紙の代金
測量費 土地の境界線や面積を明確にするための測量にかかる費用
固定資産税
都市計画税
その年の1月1日付けの所有者に対して課税される税金。
所有権が買主に移転する日付で日割り計算した差額を支払う
不動産取得税 不動産の取得にあたって、都道府県に支払う税金

家の建築に比べると少ないものの、やはり多くの諸費用が必要になります。ちなみに、土地は消費の対象ではないため、土地の購入費用には消費税がかりません。

【土地アリ】家を建てる予算と頭金の相場

初めてのマイホーム購入を考えたとき、まずは家づくりに必要な予算額を洗出して預貯金の中から頭金に充てられる金額を整理するはず。当然、土地をすでに持っている方であれば、住宅購入費や頭金に充てられる予算は多くなり、バランス調整もしやすくなります。

2018年度フラット35利用者調査によると、土地アリの住宅建築費の全国平均は「3,390万円」、頭金に充てられた金額は「636万円」とされています。後ほどご紹介する土地ナシでの予算・頭金を比べると、その額は大きく異なり、土地を持っている方の方が住宅購入費や頭金により多くの予算を充てています。

では具体的に、すでに土地を持っているケースから「住宅購入費」と「頭金の相場」、また知っておいて欲しい「地盤調査に掛かる費用」についてご紹介します。

土地アリ(土地購入なし)で家を建てる予算

土地をすでに持っている方の住宅建築費は全国平均で3,390万円。
反対に、土地を持っていない方の住宅購入費の平均は2,777万円と、その差額は600万円を超えます。この差額があれば、外壁や設備のグレードアップ、太陽光発電といった創エネ・省エネ設備のオプション追加など、住宅設備をさらに充実させることもできるため、この差額は決して小さいとはいません。

また、地域ごとで見ても大きな開きがあり、坪単価の高い首都圏になると「3,687.8万円」と一番高く、地方にいくほど建築費は安く収まります。

地域 建築費
全国 3,390.4万円
首都圏 3,687.8万円
近畿圏 3,489.5万円
東海圏 3,454.3万円
その他地域 3,224.9万円

「2018年度 フラット35利用者調査」より作成

地域ごとの住宅建築費(土地アリ)を一覧でまとめましたが、あくまで建築費の平均額なので目安としてお考え下さい。また、これらのデータには新築住宅を建て替えたケースも含まれます。

次に、たとえ「土地を所有している方」でも「必要になるかも知れない」、地盤改良と調査に関する費用についてご紹介します。

「地盤改良」が必要になる場合も

家を建てるためには原則として、土地の「地盤調査」が必要です。
この地盤調査にかかる費用は、比較的リーズナブルな「スウェーデン式サウンディング試験(SS・SWS)」で10万円前後、「ボーリング調査」では20万円~30万円程度が相場と言われています。

スウェーデン式サウンディング試験 スウェーデン式サウンディング試験とは、荷重による貫入と回転貫入を用いた試験方法のことで、SS試験、SWS試験の愛称で呼ばれています。
スウェーデン式サウンディング試験は、地盤にロッド(鉄の棒)を埋め込み、負荷をかけた沈み方によって地盤の硬軟や地層の構成を調査していきます。調査に掛かる期間はおよそ半年といわれています。
ボーリング調査 ボーリング調査とは、地盤に穴を掘ることで地盤の状況や地層協会の深さなどを調べる調査方法。最も基本的な地盤調査の方法の一つと言われています。
スウェーデン式サウンディング試験が「一般住宅」に使われやすいのに対して、このボーリング調査はマンションなど規模の大きい建物建築時に多く行われています。

いずれかの地盤調査を行った結果、地盤が軟弱だと判断された場合は「地盤改良」による工事が必要になります。

地盤改良工事の方法は、「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」の3つ。軟弱地盤の地表からの深さによって工事の方法が変わります。また、工事費用も異なり、1坪あたり「2万円~7万円」程度の開きがあります。

地盤改良工事の種類と費用
表層改良工法 軟弱だと思われる地盤が深度2m以下の時に行われる工法。工事費用は1坪あたり2万円ほど。
柱状改良工法 軟弱だと思われる地盤が2m~8mの時に行われる工法。工事費用は1坪あたり5万円ほど。
鋼管杭工法 地中に鉄製の杭を打ち込む工法で、深度30mまでの工事が可能。工事費用は1坪あたり5万円~7万円ほど。

一般的な敷地面積で考えると、地盤改良工事にかかる費用は100万円~150万円程度が多く、想定外であれば予算オーバーになってもおかしくない金額です。「地盤サポートマップ」などのサービスを使って地盤を確認したり、可能であれば購入前に地盤調査を依頼するなど、あらかじめ地盤改良も視野に入れて資金計画を立てましょう。

土地アリ(土地購入なし)での頭金の相場

2018年度フラット35利用者調査によると、土地を所有する方の頭金・全国平均額は636万円。住宅購入費全体に対する頭金の割合「頭金割合」で見ると、平均18.7%という結果が報告されています。土地アリの場合、住宅購入費の18%前後が頭金の相場と言えるでしょう。

一方で、土地を持っていない場合の頭金の全国平均は「447万円」。約190万円ほどの開きがありました。家づくりの大きな費用「土地代」が掛からないため、その分、頭金に予算を割いて住宅ローンの返済負担を軽くするケースが多いようです。

地域 頭金 頭金割合
全国 636.5万円 18.7%
首都圏 751.8万円 20.4%
近畿圏 682.4万円 19.5%
東海圏 639.3万円 18.5%
その他地域 575.7万円 17.8%

「2018年度 フラット35利用者調査」より作成

上の表を元に、首都圏で3,000万円の家を建てるときの頭金の額を計算すると…
3,000万円(建築費)× 20.4%(頭金割合)= 612万円(平均的な頭金の額)
となります。

頭金には、いくら以上払うといった決まりはなく、あくまでローンの借入金額を減らして、後々の返済を楽にするためのものです。頭金割合はあくまで目安として考え、生活に影響しない無理のない範囲で計画しましょう。

【土地ナシ】家を建てる予算と頭金の相場

はじめてマイホームを建てる方の多くは、『土地をイチから探して土地・住宅購入も合わせて進める。』という方が多いのではないでしょうか。

これまでご紹介してきたように、家を建てるための予算と頭金の相場は「土地アリとナシ」で大きく異なり、土地を所有してない場合、土地の購入費が掛かる分「住宅費用」と「頭金」に充てられる予算は限られてきます。

また、限られた予算を「土地」と「建物」に充てる、予算配分のバランスも重要なポイントです。最後に、土地と住宅両方の購入を検討している方のために、「土地・住宅の購入費目安」と「頭金の相場」、「予算配分のバランス」についてご紹介します。

土地ナシ(土地購入あり)で家を建てる予算

これまで同様、フラット35利用者調査によると、
土地ナシでの建築費の全国平均は2,777万円、土地代でみると1,335万円という報告がされています。住宅と土地の費用割合でみると、「住宅:67%」「土地:32%」が大凡の目安と見ることができます。

また首都圏に着目すると、
「土地のアリ or ナシ」でみた住宅購入費の差額は1,000万円を超えます。
これは、首都圏の土地がどれだけ高額なのかを表した数字で、土地と住宅の予算配分がいかに重要なのかも表す数字だといえます。これまでと同様に、地域ごとの建築費・土地代の平均を一覧にしてまとめておきます。相場の目安としてご覧ください。

地域 建築費 土地代
全国 2,777.5万円 1,335.1万円
首都圏 2,628.9万円 2,145.8万円
近畿圏 2,652.4万円 1,574.9万円
東海圏 2,898.3万円 1,208.2万円
その他地域 2,865.1万円 897.0万円

「2018年度 フラット35利用者調査」より作成

土地と建物の予算配分が重要

先ほどもご紹介したように、
一から家づくりをスタートする場合、土地と建物の予算配分が重要になります。

土地と建物、いずれかに大きな予算を割けばその分、もう一方には十分な予算を充てることはできません。限られた予算での家づくりなので致し方ないことです。また一方で、土地と建物にかける予算の割合いやこだわりを調整できるというメリットもあります。

たとえば、下記の図のように同じ3,500万円の予算でも、土地と建物どちらかを重要視するかによって予算配分のバランスが異なり、その重要視するポイントによって調整ができるのです。

土地と建物の予算配分

土地購入で失敗しやすい事例の中には、
土地の購入費に予算を大きく割いたことで、住宅購入の段階で大幅な予算オーバー。
土地を購入した後になって、希望の間取りを取れない小さな家しか建てられなかった。
というケースも多いようです。

多くの場合は、土地と建物の予算配分を別々に考えてしまうことから起こります。例えば、土地の立地や面積だけを優先して先に購入してしまい、住宅設計の段階になって失敗に気付くという場合です。

土地の相場は地域によって違い、土地と建物どちらにこだわりを持つかも人それぞれです。重要なことは、マイホームづくりの計画をスタートさせた段階で、土地と建物の予算配分を予め決めておくことです。

また、注文住宅は予算調整が比較的しやすいのも特徴のひとつ。
土地にこわだりを持つ方であれば、住宅購入費を上手く調整できれば予算内にピッタリと収まる満足できる家づくりができるかもしれません。「土地代は融通効かない」けど「建物代はある程度調整できる」ということを踏まえて、予算配分のバランスを上手く調整しましょう。

【注文住宅を建てる土地の探し方】失敗しないコツと手順

注文住宅用の土地探しで失敗しないために!土地探しを依頼するのはハウスメーカー?不動産?といったよくある疑問はもちろんのこと、周辺環境がわかる用途地域の調べ方や現地でチェックすべき項目といった、土地探しで失敗しないコツ・ポイントもご紹介。

土地ナシ(土地購入あり)での頭金の相場

最後に、土地を所有していない場合の頭金の相場を見ていきましょう。
全国平均でみると頭金の相場は447万円、住宅購入費全体に対する頭金の割合でみると16%。土地を所有する場合と比較すると189万ほど安く、土地代が高騰する首都圏に目を向けると250万円以上の開きが見られました。

地域 頭金 頭金割合
全国 447.0万円 16.0%
首都圏 494.6万円 18.8%
近畿圏 443.3万円 16.7%
東海圏 430.1万円 14.8%
その他地域 428.9万円 14.9%

「2018年度 フラット35利用者調査」より作成

土地を購入する費用は「土地自体の費用」「諸費用」の2つ」でご紹介したように、土地を購入するには「手付金」と「諸費用」を現金で支払う必要があります。

とくに手付金は、土地代の5%~10%が相場とされているため、土地代が高くなるほどその費用は大きく膨らみます。そのため、土地代が高騰する首都圏では、十分な頭金を用意できないというケースがあるようです。

試しに土地の手付金を10%、諸費用を5%として全国平均を使って計算してみると…
1,335万円(土地代)× 15%(手付金・諸費用)=約200万円
636万円(土地アリ頭金)- 200万円 = 436万円
このように、土地ナシの頭金447万円に近い数字になることが分かります。

新築の住宅購入にあたって、十分な頭金を用意できるに越したことはありません。しかし中には、頭金ナシで念願のマイホーム購入を叶えた方も数多くいます。必ずしも頭金が必要ということではないのです。
土地と住宅購入にかかる費用の相場を把握した上で、予算内に収まるバランスの取れた購入計画を立てることが最も重要だと言えるでしょう。

「土地のアリ/ナシの予算と頭金の相場」まとめ

ここまで、土地のアリ/ナシによって家を建てる費用・頭金が大きく異なるということをご紹介しました。

すでに土地を持っている場合は、家にだけ予算を使えるため安く抑えられる、またはより良い家を建てることが出来ます。一方、土地を持っていない場合、土地代で予算が圧迫されるほか、手付金や土地の諸費用で頭金に充てる現金が少くなったり、坪単価の高い首都圏ほど家にかけるお金が少なくなるという、金銭的ハンデを背負うことになります。

とは言え、多くの方が土地ナシの状態で家づくりをスタートすると思います。前述したように、あらかじめ土地と建物に充てる予算を配分し、どのようなことに資金が必要になるのか把握することで、想定内の費用だけで家を建てるようにしましょう。